more コマンドとは?
more
はテキストファイルを1画面ずつ読みやすく表示する ページャー(pager) コマンドです。cat
と違って画面全体をスクロールしながら閲覧できるため、長いファイルの内容確認に便利です。
基本構文
more [ファイル名]
例:
$ more /etc/passwd
使用例と出力動作
$ more longfile.txt
出力はターミナルの高さに合わせて 1画面ずつ 表示されます。末尾に --More--
と出たら、操作待ちになります。
基本操作キー(閲覧中)
キー | 動作 |
---|---|
スペース | 次ページへ進む |
Enter | 1行ずつ進む |
b | 1ページ戻る(端末によっては不可) |
q | 終了 |
/pattern | パターンを検索(下方向) |
n | 次の一致箇所へジャンプ |
実用的なパイプ使用例
ログファイルの一部を段階的に確認
$ cat access.log | more
コマンドの出力結果をゆっくり確認
$ ps aux | more
オプション
オプション | 説明 |
---|---|
+n | n行目から表示開始(例:+50 ) |
+/"pattern" | 指定文字列を検索して表示開始 |
more と less の違い
比較項目 | more | less |
---|---|---|
戻れるか | 不可または限定的 | 戻れる(高機能) |
検索機能 | 基本的な / のみ | 高度な正規表現や複数検索が可能 |
ページ送り | 前方中心 | 前後両方向自由 |
入力バッファ | 全読み込み後表示 | スクロールに応じて読み込み |
基本的には less
の方が高機能でモダンですが、more
は古いシステムや最小構成にも含まれます。
よくあるエラーと対処
エラー | 原因 | 解決策 |
---|---|---|
No such file or directory | ファイル名の間違い | ファイル名・パスを確認 |
画面が崩れる | 非対応の文字コードなど | iconv や less を使う |
まとめ
more
はファイルや出力を1画面ずつ閲覧するための軽量コマンドcat
よりも視認性が高く、less
よりも軽量スペース
、Enter
、/pattern
、q
だけ覚えれば基本操作はOK
参考リンク
- https://man7.org/linux/man-pages/man1/more.1.html
- https://www.gnu.org/software/coreutils/manual/html_node/more-invocation.html